TECHNOLOGYテクノロジー
03 Architecture建築
美郷町カヌー艇庫建設工事
基本情報
バリ島の伝統と日本の技術を融合し、
未来へ漕ぎ出す建築の創造力
2030年の国民スポーツ大会カヌー競技の会場となる島根県美郷町。同町が友好協定を結ぶバリ島の建築文化を生かしたカヌー艇庫建築プロジェクトに参画しました。建物のデザインにはバリ島の美しく温かみのある自然素材が活用され、唯一無二のカヌー艇庫が完成しました。
自然の厳しさと長期間を要した資材調達
敷地は河川区域内であり、ハイウォーターレベルを考慮した設計と水辺での細心の施工が求められました。デザインはバリ風のトラス構造ですが、4m以下の規格木材でこれを実現する高い加工組立技術が必要でした。さらに、屋根葺き材のアコヤ材は納期が8ヵ月と極めて長く、工期遵守のためには工事契約と資材調達を同時に行う必要がありました。
実物大モックアップによる確実な施工
施工の品質とデザインの整合性を高めるため、実寸大の断面模型(モックアップ)を作成しました。これにより、屋根端部やアコヤ材を用いた屋根葺き施工の詳細を事前に検証し、発注者の承認後に本体の施工に取り掛かりました。
また、現場への材料搬入には重量制限のある橋を渡る必要があったため、加工組立の順番に合わせて材料を小分けにし、緻密な小運搬を繰り返し実行しました。
若手活躍の「先行外構」で工期短縮
工期を優先するため従来の工法にとらわれない施工計画を若手中心に立案しました。建物の足場を組む前に、通常は本体工事後に行う埋設配管や水路施工といった外構工事を「先行で実施」。これにより工期を大幅に短縮することができました。
カーボンニュートラルと100年利用への貢献
竣工した艇庫は、木構造としてカーボンニュートラルに貢献しています。現在はカヌー大会の会場となるだけでなく、全国から集まる強化選手が利用する拠点となっています。さらに、地域住民の祭りの場や地元中高生のカヌー部の部室としても活用され、地域の交流の場でもあります。このプロジェクトで得た若手の成功体験と、「竣工後100年残る取り組み」を胸に、私たちは次なるプロジェクトへ挑み続けます。