いまいひと物語
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__,,-/ ~· 描かれたシーンをカメラで写すと…こうなる。いまは今井商事の生コン工場。運ぶ。まあ、どれもこれも厳しい作業で、たくさん思い出がありますが、ある人がこう言ったのが一番の印象かな。「石橋を叩いて渡るという言葉があるが、おたくの親爺さん(会長)は、石橋を叩き過ぎて、壊してしまうこともある人だ」援してしまう、というのは言い過ぎでしょうが、私はある意昧では最上の誉め言葉と思いますね。だって、慎重さ、真面目さほど仕事にとって大事なことはないのですから。例えば、こんなことも・:。ある村有林を買うごとになり、山林を調査したのですが、胸高直径といって胸の高さの部分を測る。会長は、ヤマカン(目算)ではいけない。木のすべてを実測するように言うのです。何万本単位にある木をですよ。一本一本、胸高を挟み尺で測る。気の遠くなるようなつらい仕事でした。しかし、終わったあとの満足と自信も格別でした。このケlスにも、凡帳面な会長の面目躍如たるものがあり、一方で真面目に従事した社員のエピソードでもこれはあるわけですね。(笑い)こうして厳しく育てられて、多くの社員が立派に実力を付けた。また夕方遅く山林現場から帰ると会長夫人から、腹が空いただろうと云ってよく晩飯をご馳走になった。会長からよく叱られたけれども、会長夫人に陰で労って裁いた。これこそ、ほんとうの家族的な愛情でしょうね。35・試練編11938年~1957年

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